5/3 Berryz工房コンサートツアー「にょきにょきチャンピオン」中野サンプラザ

 アイドルにとっての「ダンス」というのはどのように語られてきたのであろうか。そのような疑問が一人の「アイドル」から湧いてくるのは私にとって二度目の経験である。
 一度目は後藤真希のパフォーマンス(もちろんソロになっての公演)を体験した時、そして二度目は昨日のBerryz工房の「にょきにょきチャンピオン」中野公演におけるBerryz工房清水佐紀(あえて愛称や呼称は使用しない)のパフォーマンスを体験したときである。
 私はパフォーマーでもなければ勿論アイドルでもない。(何者でもないのである)しかし、そんな人間までも「ダンス」に対して語らせてしまう説得力がそのパフォーマンスには存在する。
 ここでは「アイドル」にとっての「ダンス」という制約があることに留意していただきたい。
 TRF安室奈美恵・・・の所謂TKプロデュースの人達は頑に「アーティスト」を主張したことで成功を収めたように思われる。同様にそれゆえダンスに関してもアーティストであることが前提であったと思われる。
 「アイドル」はアーティストではない。歌も歌わなければ行けないし、ダンスもそれなりに出来なくては行けない、もちろん客に媚びる技術が何よりも要求されるのである。それゆえ何か一つに特化することは困難で、数々のアイドルが「所詮アイドルだから」と片付けられてきたのではないだろうか。ニセモノというレッテルを貼られた者たち。 
 そんな中で身体表現というレベルで語れるアイドルの出現に我々は歓喜し、興奮は冷めることはない。
 ここで私がそのパフォーマンスの素晴らしさを語るまでもなく既に多くの人によって語られているようであるのでそちらを見ていただくのが一番である。ただ、清水佐紀は確実にステージでの芝居も上手いはず。であるからこそ、クローズアップばかりの切り張りカラオケ映像はもったいなかった。「かしまし」のPVではワンショットでイッパツ撮りみたいなのもやってるんで(PV史に残る名作!)期待しましょう。
 話は大きくそれましたが「非アーティストのアート」程我々を興奮させるものはないのである。R&R誕生の歴史を紐解くまでもなく、ごく自然に受け入れるべきである。私の場合は主に日本のプログラムピクチャーであるが、これは過去のもので既に実体験は不可能である。清水佐紀後藤真希のダンスは現在進行中である。同じ時間をかけて体感できる幸せを感じようと思うのである。

 ここまで絶賛するのも私がそれなりにBerryz工房モーニング娘。における物語を体験していることが前提なのをご了承下さい。