高校野球にプロ野球

野球ってスポーツなんだろうか?
いまいちこの答えは出せないでいる。球を投げる、棒を振り回してそれを打つ。少しでも先の塁を目指してダッシュする。純粋なスポーツに見えるが、常人じゃ考えられないような速い球を投げたり、それを160メートルも先に細長い棒で打ち込むそんな行為を観に行く。それは見世物的でもある気がする。
まあこれがプロの世界ならばこういう疑問も持たずに素直に観客として楽しめるのだが、アマチュアのしかも高校生のアマチュアと思えないプレーを観て一喜一憂する自分が恐い。
甲子園での試合を放送する側も試合後の選手の表情を視聴者に残酷に送り届けている。
高校球児が見世物になっている気がしてならない。
誤解が有ると困るがいうが私は見世物というものに偏見を持っているつもりは無い。ただ実態は詳しくは分からないかもしれない。しかし、見世物小屋の人間は身分の違いを感じつつも、「楽しませてやってるんだ」「できるものならやってみろ」という自負が少なくともあるはずだ。むしろこれが見世物小屋の人間のアイデンティティーかもしれない。
高校球児たちに「エンターティナー」としての自負は微塵も無いだろう。この自負を持てと警告しているのではない。ただそれではあまりにも哀しすぎる。
そんな彼等に一喜一憂する自分が恐いのである。