『ゲームセンターCX』そして伝説へ

フジテレビ721で水曜10時放送中の『ゲームセンタCX』(第3シーズン)が先日最終回。
私が観始めたのは第3シーズンの「カトちゃんケンちゃん」を挑戦する回から。
そして先月7日の10時間連続再放送に挑戦してクリア。

特にメインコーナー「有野の挑戦」は素晴らしい。

最長20時間以上の挑戦を60分以内に収めてしまうという時間の無駄遣い。いやもっとも贅沢な使い方。
「ゼイタクはステキだ」と私の敬愛する映画監督は言ったが、まあそれは置いておいて。
20時間以上ゲームをやるという非日常的行為を何分かに凝縮。
すべての「物語」の基本的精神を貫いている。
すべてのスタッフに感謝。

そして「元気が出るテレビ」や「電波少年」が貫いてきたバラエティ番組の永遠のテーマ「人間の極限状態」を映像に記録している。人間は20時間もゲームやったらどうなるのか?
そしてこの番組はラジオ番組よろしくスタッフの声がそのまま入っているので、視聴者自身もプレイヤーを見守る気持ちになる。
また、特筆すべきは挑戦者(有野)のプレイするゲーム画面がそのまま視聴者のテレビモニターに映ることで自身もプレイヤーになったかのように感情移入ができるという点。
ここまでダイレクトに感情移入できるものはいままでなかったのではないか。
たとえば「ドラマ」は物語を役者が演じ、その擬似的なものへ感情移入することが普通である。それゆえ一方的な面もあるがそこがドラマの面白さでもある。このことについて深く書くのはやめておこう。
ゲームは極身近にある「自分で作っていく映像メディア」である。普通ならば自分が操作する映像がモニターには映る。この「当たり前」を活用し、「当たり前」なはずの映像が実は他人が操作しているというこの「実像に限りなく近い虚像」が強固な感情移入を可能にさせているのだろう。
また「このソフトやったよな」というノスタルジックな感情をも揺さぶる。
そして当時の技術力などを背景にしたファミコンのソフトが大概持つ「単純」「理不尽」「間抜け」「激ムズ」などの特徴が、観ていて楽しいものを演出する。

とにかく素晴らしい番組だった。

来シーズンも毎週観るぜ。