東京人

今回の東京人は「志ん生・馬生・志ん朝」特集。
貴重な写真も多い。特に目次部分の馬生の写真は素晴らしい。
小さい写真だが肉体的なふけが見え始めているものの素晴らしい高座だったであろうことが伝わって来る。
それと志ん生がぐいぐいと酒をやってるのを見て志ん朝が「半分くらいにしときなよ」と心配したのに対して馬生は「(酒を)取られちゃうかもしれないっておもうんだろ」といい志ん生が「うん、うん」とうなずいたというエピソードが興味深い。
馬生は志ん生が一番貧乏だった時期に生まれたと志ん生自身語っている。そして、馬生が噺家として駆け出しの頃、志ん生満州にいってしまっている。志ん生と同じ貧乏を体験し、偉大な父への反発がしたいのにもかかわらずできないという経験をしている。その事が見事に分かるエピソードだ。この事を受けて馬生と志ん朝では馬生の方が父親に似ていると言う評判の裏付けにはなるのではないだろうか。