ゴジラ ファイナルウォーズ

北村龍平が苦手って事抜きにして凡庸だったなあ。
つまらなかったかというとそうでもない気もするし。
まず、北村龍平はハリウッド的とか言われてますけどちっともハリウッド的なんかじゃありませんよね。
「ハリウッド映画」をどうとらえるかで意見は変わりますけど、「激しいアクション」とか「金がかかってる」とか「エンターテインメント」位にしか捉えていないのはまずいです。
それならば香港アクション映画はハリウッド的か?
ちゅう話ですよ。
まあ、ハリウッドで撮った映画は全部ハリウッド映画なんでしょうけどね。
つまり、数多くの評論家が指摘している通り、ハリウッド映画は「シナリオの映画」なんですよね。
タイタニック」も金はかかってるけど、「船が沈むシーンが良かった」とか「あのショットが秀逸」っていう感想はそこまで出ないと思うんです。結局はお話が良かったってことでしょ?
そういう意味で今回の「ゴジラ」にシナリオで引き付ける魅力があったかというと・・・
ほとんど演出で引き付ける映画です。ということで「ハリウッド映画」には成り得ません。
もちろんアメリカでの評価も高くはならないでしょう。
「ハリウッド映画が大好き」ってのは一発で伝わってるけど。
もちろんシナリオだけが映画じゃないけど、欠けちゃいけない要素ではある。

また「怪獣映画」という映画は「冷静に見るとあり得ない荒唐無稽なシチューエーション」の活かし方次第で傑作と駄作が分かれてしまう。(この辺はアニメ映画と同じなのだが)
今回の作品も多分にそれを意識したきらいはあったが、前に書いたように「演出」や「ディティール」でシナリオでそれを活かそうとすることがされていなかった点は口惜しい。
しかし、それをカバーしようとする演出のイキの良さ、とでもいうか威勢の良さは凄いもので、飽きさせないものには成っているのはすごい。
笑いどころは満載で荒唐無稽を楽しむ事が出来るのも嬉しい所。
それにプロレス的なスーツアクション。
本物プロレスラーの役回り。
菊川怜水野真紀のサービスカット。
いい感じには壊して面白い形に作り直してるんだけど・・・

壊して結果は出したんだろうけど、それでも私にとってはまだ「ぶっ壊し方が中途半端」です。
まだまだ、まだまだ、まだまだぶっ壊して面白い事出来るって!!


そして何と言っても北村一輝がすごい面白い。
あの仕草や喋り方がゴジラという「怪獣」の面白さを引き立てている。
ゴジラ」という世界最強の怪獣という見世物を一番面白く紹介する役だ。
特にシドニー、南極での対決シーンは最高。まちがっても寝るな!!
狂ったいじめっ子だから。それ!!
でも、上に書いたような点を含み、北村一輝がいなければ手も付けられない駄作に成ってただろうな。

そう、この映画はなんだかんだで「北村龍平映画」じゃなくて「北村一輝映画」だったのだ。

あっ、そうそうやっぱり小美人はWがいいな!!