9/17 談志・圓蔵ニ人会

あるきっかけで招待されたので行ってきました。
ホールの落語は久しぶりで、寄席に比べて賢そうな人が多いのが面白かった。
家元の落語も久しぶりだ、もうかなり聞きに行ってない。

で、この会の目玉は何と言っても「談志・円境(圓蔵師匠の前の高座名)の歌謡合戦」復活だろう。
落語を期待してはまずいなきっと。

「談志・円境歌謡合戦」は随分と前にニッポン放送で放送されていた番組らしい、以前伊集院光もその素晴らしさや理解度を超えるギャグについて語ってたっけ。
ま、ギャグの投げあい。これが凄い。
当時の放送を聞いた事が無いから何ともいいがたいが、当時の家元の声、スピード感なら凄いもんなんだろうなとは容易に想像できる。

ギャグの投げあい。

「投げあい」なんですよ。只のキャッチボールってだけじゃなくて投げっぱなしも多々あるのがイイ。
相手のギャグを受け止めて即座に投げ返すのは基本ですが、家元も圓蔵新しいボールを拾ってぶん投げるっちゅう凄い事をやってるんですわ。
例えば、何の前フリも無く「オイ、おめえ”ヨン様のふんどし”はどうしたい?」とくる。このボールを真正面で受け止めれば真正面で受け止めると「んなもんねえよ」とくるんだが・・・
すかさず「念仏となえないとうんこできねえ奴ダレだったけなあ?」ときて訳分からん。
「ん、浅香光代ね。」ときてさらに訳分からん。

けど面白い。ギャグの文法にとらわれない新たな言葉の快感、気持ちイーっ。
さらにすごいのがそれだけに固執しない点で、「投げあい」が只の「投げあい」になっていない事。
要するに客を意識した「投げあい」をやってるって事で、例えばプロレスにおいて「やられ過ぎ」じゃ盛り上がらないし「強すぎ」でも興ざめしてしまうように一方的な投げあいの要に見えてもキャッチボールを挟んだりする。またプロレスに例えるけど「逆水平チョップを応酬」っうのがあるようにね。
そのバランスがこの二人のマッチメイクで究極の状態となる。
談志・志ん朝だとこうじゃ行かないだろうな。
圓蔵・円歌でもまずい。
投げっぱなしの開拓者でもあり、その道の天才談志と爆笑王でギャグのツボを誰よりも勝って心得ている(当時)圓蔵のマッチメイクだからこそ魅力ある対戦という名義のショーになるんだと思うのですが。